開封率はもうあてにならない?メールマーケティングの新常識

スマホの裏で起きている「見えない変化」
スマホでメールを開くとき、画面の裏側でどんなことが起きているか、考えたことってありますか?

実は近年、多くの人が気づかないうちに、メールの世界で大きな変化が起きています。その1つが「Apple MPP(プライバシーを守る仕組み)」です。

この仕組みによって、これまでメールマーケティングの重要指標だった「開封率」がもはやあてにならなくなっています。
この記事では、その理由と、個人起業家がこれからどのような数字を見ればよいのかを解説します。

目次

開封率があてにならない3つの理由

あなたや周りの方はiPhone・iPad・Macなど、Appleの端末を使っていませんか?

Appleの端末でメールを読むとき、「Apple MPP」というプライバシーを守る仕組みが自動的に働いています。この機能によって、メール送信者(企業や個人起業家)には次のような影響が出ています。

1. メールを送信すると、受信者に代わってAppleが自動的に開封するため、相手が実際に開いたかどうかがわからない
2. プライバシーを守る仕組みにより「どこで・いつ・どんな端末で読まれたか」の情報が隠される
3. Appleユーザーは非常に多く、ビジネスによって影響度が異なる

つまり、個人起業家にとってこれまで大事な指標だった「開封率」が、このプライバシーを守る仕組みによって信頼できなくなっているのです。

どうやってプライバシーを守ってるの?

プライバシーを守る仕組み、Apple MPPはこんな風に動いています。

1. メールが送信され、受信トレイに届く
2. 受信者の端末ではなく、Appleのサーバーが先に取得する
3. 受信者がメールアプリを開くと、Appleのサーバーから表示される

ここで重要なのは、受信者がメールを実際に開いていなくても、Appleのサーバーに到達した時点で「開封された」と記録されてしまうということです。

なぜこの機能が導入されたの?

Appleは「ユーザーのプライバシーを最優先に守る」という方針を掲げています。

昔から、多くの企業が使いっている「メールが開かれたか」「いつ開かれたか」「どこで開かれたか」を知る仕組み。しかし、Appleは「プライバシーを守ろう」と考え、2021年9月からこの機能を導入したのです。

個人起業家はどう対応すべき?

では、個人起業家やメールマーケティングを行う方々は、どう対応すればいいのでしょうか?

開封率からクリック率へのシフト

数字を測る時代から”行動を測る”時代に変わりました。

「開封率」に頼るのをやめて、「クリック率」(メール内のリンクをクリックした割合)や、クリックからの「コンバージョン」(商品購入や予約など、最終的な目標行動)を重視しましょう。

Apple MPPユーザーを分ける工夫をする

配信ツールによっては、Apple端末のユーザーとそれ以外のユーザーを分けて分析できる場合があります。可能であれば分けて分析をしてみましょう。
【Appleユーザー】→ クリックや購入で効果を判断
【その他ユーザー】→ 従来通り開封も参考にできる

件名のテスト方法を工夫する

開封率だけに頼らず、クリック率やコンバージョン率でも効果を測定しましょう。また、テスト対象を増やし、より多くのパターンから最適な件名をつくるチカラを身につけましょう。

ユーザーとのコミュニケーションを深める

「メールを開いたかどうか」というデータに頼るのではなく、ユーザーと直接コミュニケーションを取る方法を強化しましょう。例えば、アンケートやクイズなどでユーザーの興味・関心を直接聞いたり、メール以外のチャネル(SNSなど)でもコミュニケーションを増やすことで発見を増やしましょう。

メールの到達率を徹底する

2025年からはGoogle・Yahooなどでも新しい基準が導入され、メール認証が必須になっています。これらは絶対に設定すべき基本事項です。SPF、DKIM、DMARC などの認証設定を必ず行うようにしましょう。

まとめ

プライバシーを守る仕組みによって「メールを開いたかどうか」は信頼できない指標になりました。これからのメールマーケティングでは次の3つを徹底しましょう。

  • 「開いたか」ではなく「何をしたか(クリック・購入など)」を測る
  • 効果をテストできるチカラを強化する
  • メールの到達率を守るための基本設定を徹底する

この3つのポイントをしっかり押さえることが、個人起業家にとって重要になります。
プライバシーを守る流れは今後も続く可能性が非常に高いです。時代の変化に合わせて、メールマーケティングの方法も進化させていきましょう。

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